副甲状腺ホルモンの作用が不足することによって起こる症状
副甲状腺機能低下症の患者さんは血液中のカルシウム濃度が低下している状態です(低カルシウム血症)。カルシウムは骨や歯をつくるだけでなく、筋肉を動かし、神経の働きを落ち着かせる作用があります。
低カルシウム血症になると、筋肉や神経、精神、心臓に関わる様々な症状が現れる可能性があり、日常生活に影響を与えます。一方で、軽度~中等度の低カルシウム血症が長期間にわたって続いている場合、症状が現れなかったり自覚しにくかったりすることがあります。
低カルシウム血症の主な症状



- 手足や口の周りのしびれ、ピリピリ、チクチクなどいつもと違う感覚
- テタニー症状(手足のこわばり、筋肉がつる、こむら返り、顔のけいれん)
など
また、血液中のリン濃度が高い状態が続くと、脳をはじめとして体のいろいろな場所にカルシウムが沈着する可能性があります(異所性石灰化といいます)。
合併する主な症状・病気
頭髪
- 髪が薄くなる、抜けやすくなる
- 髪質が悪くなる
眼
- 白内障
歯
- 歯がもろくなる
- むし歯ができやすい
心臓
- 脈が乱れる
腎臓
- 腎臓に石ができる
- 慢性腎臓病(CKD)
中枢神経
- 脳にカルシウムが沈着する
精神面
- 気分が落ち込む
- 疲れやすい
- もの忘れ
皮膚
- 肌が乾燥する
爪
- 爪がもろくなる
重度の低カルシウム血症でみられる症状
重度の低カルシウム血症では以下の症状がみられる可能性があるため、注意が必要です。

(てんかんのような発作)

- 喉頭けいれんや気管支けいれんによる呼吸困難
- 全身のけいれん(てんかんのような発作)
- 意識障害
- 致死性不整脈
副甲状腺機能低下症の治療中に注意したい症状
副甲状腺機能低下症の治療中は、血液中のカルシウム濃度が低下する低カルシウム血症だけでなく、血液中のカルシウム濃度が上昇する高カルシウム血症、尿中のカルシウム量が増加する高カルシウム尿症にも注意が必要です。
高カルシウム血症は早い段階で気が付くことが大切です。下記の症状に当てはまる場合は主治医などに相談してみてください。
高カルシウム血症の症状
- 嘔気・嘔吐
- 便秘
- 腹痛
- 食欲低下
など
高カルシウム尿症は、尿検査をしないとわかりにくく、また腎臓を健康に保つ上で注意が必要です。高カルシウム尿症が長期に続くと、下記の合併症をおこすことがあります。心配な場合は、主治医に尿検査を相談してください。
高カルシウム尿症の合併症

- 腎石灰化(腎臓へのカルシウムの沈着)
- 尿路結石
- 腎機能低下
など
また、血液中のリン濃度が高い状態が続いていると、いろいろな場所にカルシウムが沈着する可能性があります。以前はなかったのに皮膚の下に硬いものがあるなど気がついたら主治医に相談してください。
症状と副甲状腺機能低下症との関連性をチェック
「ユビー」では、あなたが感じている症状と副甲状腺機能低下症との関連性をチェックすることができます。あてはまる症状を答えて、病気との関連を調べ、専門の先生がいる病院を受診しましょう。
症状と病気の関連性を調べる※「ユビー」へ移動します。
監修:東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 准教授 槙田 紀子 先生

